「親が高齢になり車に乗らなくなったので、親の代理で自分(子)が売りたい」
「親からもらった車を売りたい」
車の所有者が親で、実際に売るのは自分(子)という場合は、自分名義の車を売るときと少し手続きが異なります。
先日、私も親名義の車を代理で売る機会がありましたので、買取査定の流れや必要書類についてご紹介します。
車をはじめて売却する方はこちら
⇒はじめて車を売るときの流れ
必要な書類はそろっていますか?
⇒車を売るときの必要書類(普通自動車/軽自動車)
いくらで売れるか知りたい
⇒車の買取相場を調べるには?
親が健在で買取契約に同席できる場合
ご家庭の事情によると思いますので一概にはおすすめできませんが、もし親に買取契約の場に同席してもらうことが可能であれば、準備する書類が少なくて済みますので、相談されてみるのもよいでしょう。
書類が少なくて済む理由は、買取契約の場で所有者の意思確認(売ることを認めている)ができるからです。
手続きや交渉を自分が仕切っても何も問題はありません。
買取契約の場で、隣に座っておいてもらうだけで大丈夫です。
親名義の車を自分(子)が売る場合は、第三者名義の車を売るときと同じ手続きとなりますので、所有者(親)の「委任状」と「譲渡証」と「印鑑証明書」を通常の買取契約に必要な書類と合わせて準備する必要があります。
車買取で必要な書類については「車を売るときの必要書類(普通自動車/軽自動車)」で詳しくご説明しています。
親に「印鑑証明書を役所で取ってきて!譲渡証に実印押して!書類をこっちの家に郵送して!」というややこしいお願いを何度もするよりも「○日に売りに行きたいから一緒についてきてくれない?」とお願いするほうが親の負担も少ないと思いますので、検討できる場合は同席してもらう手段もありだと思います。
関連記事:車の使用者と所有者が違っても売れるの?
親は健在だが買取契約に同席できない場合
「親が遠方に住んでいる場合」や「仕事が忙しく都合が合わない場合」など、買取契約の場に同席してもらうことが難しい場合は、必要書類を親に手配してもらいましょう。
また親が入院されている場合でも、正確な判断ができ、きっちりと相談できる状態であれば車を代理で売ることは問題ありません。
買取契約に必要なもの
親名義の車を売る場合は、以下のものが必要になります。
下記の 1. から 7. までが親に準備してもらう書類になります。
- 印鑑証明書(所有者のもの)
- 譲渡証明書(所有者の実印を押印)
- 委任状(所有者の実印を押印)
- 車検証
- 自賠責証書
- 納税証明書
- リサイクル券
- 代理人の印鑑 ※認印OK
- 代理人の身分証明書
- 入金用の銀行口座(親または子)
「1.印鑑証明書」は所有者である親名義のものを役所で手配してもらいましょう。
「2.譲渡証明書」と「3.委任状」は、国土交通省のホームページからダウンロードできますので、印刷して記入します。
譲渡証明書と委任状の記入方法がよく分からない場合は、空欄にしておいても問題ありませんので、親の実印だけ必要な箇所に事前に押しておいてもらいましょう。
空欄になっている箇所は、買取契約が成立した時に買取業者のスタッフに教えてもらいながら記入すればOKです。
その他、必要書類で紛失しているものがあれば、買取契約をする日までに再発行しておきましょう。
親が認知証になっている場合
親が認知証(アルツハイマー病)になっている場合や介護施設に入っている場合は、通常の代理人による買取契約はすることができません。
契約に対する責任能力がないと判断されるため、成年後見人を立てる必要があります。
まずは家庭裁判所に成年後見人の申し立てを行い、制度適用が適切かどうかを判断するための面談などの手続きから進めていくことになります。
その後、無事に成年後見人を立てることができた場合は、車の所有者の代理人として成年後見人が買取契約を進めることができるようになります。
買取契約に必要なもの
買取契約時には「成年後見人を証明する書類」が追加で必要となります。
- 印鑑証明書(成年後見人のもの)
- 譲渡証明書(成年後見人の実印を押印)
- 委任状(成年後見人の実印を押印)
- 成年後見人を証明する書類
- 車検証
- 自賠責証書
- 納税証明書
- リサイクル券
- 買取契約する人の印鑑
- 買取契約する人の身分証
- 入金用の銀行口座
成年後見人の申請については、法律に詳しくない一般の方にとっては非常に面倒で難しい手続きとなります。
費用はかかりますが、個人で悩みながら進めるよりも、お近くの行政書士/司法書士事務所に相談するほうがよいでしょう。
関連記事:認知症の親が車の事故を起こしそうで恐い。免許を返納して乗せないように説得する方法
親がお亡くなりになっている場合
親がお亡くなりになった後に車を売る場合、親名義のままでは買取契約を進めることはできません。
車は遺産相続という扱いになりますので、身内の誰かが勝手に売ることもできません。
誰が車を相続するのかは事前に親族内できっちりと決めておく必要があります。
新しい所有者(相続人)が決まった後に管轄陸運局で、車の名義変更を行います。
名義変更をした後は、相続人の方が所有者本人として車を売ることができますので、通常の「車を売るときの必要書類(普通自動車/軽自動車)」と同じ書類で買取契約をすることができるようになります。
名義変更に必要なもの
- 戸籍謄本(相続者全員の記載があるもの)
- 故人(親)の戸籍謄本
- 印鑑証明書(相続者全員)
- 遺産分割協議書
- 車検証
- 相続する方の住民票
- 相続する方の車庫証明書
「4.遺産分割協議書」については、国土交通省のホームページからダウンロードできますので、印刷して記入します。
名義変更が完了した後、買取契約を進めることが可能になります。
車のローンが残っている場合
親名義の車にローンが残っている場合でも買取契約は可能ですが、スムーズに買取契約を進めることができるのは以下の場合となります。
- 車の買取金額でローンが完済できる
- 買取金額では完済できないが、現金でローン残高を払って完済できる
車のローンは車を担保としてお金を借りている状態ですので、車だけを売ってローンを残すということはできません。
車を売るときにローンも完済するというのが原則となります。
もし「車を売ってもローンが完済できない」または「現金でローン残高を払って完済できない」という場合には、まずクレジット会社に相談することが必要になります。
「ローンが残っている車の売却手順」も参考にして頂き、買取査定を依頼するようにしましょう。
車を高く売るコツ

車を高く売るコツは、複数の買取業者から査定見積りを取ることです。
私が以前に車を売却した際も、一番高い業者と一番安い業者で20万円も査定金額に差がありました。
各社の金額を比較してから売却先を決めましたので、損はしませんでしたが、もし一社だけで決めていたらと思うとゾッとします。20万円ですよ・・・。
車の買取を失敗しないためには、最低でも3社は買取査定を依頼し、査定金額の相場を把握しておきましょう。
複数の見積りを取るには、>車一括査定サイトの利用がおすすめです。
車一括査定サイトでは、提携している優良買取業者のみに査定依頼ができますので、初めての方でも安心して利用できます。
車一括査定を利用するメリット

自分の足で実際に買取業者を何店舗も訪問するのは時間と手間がかかります。
店舗での持ち込み査定は混雑していると数時間も待たされることもあります。いきあたりばったりで進めていると複数の見積りを取るのに何週間かかるか分かりません・・・。
車一括査定サイトを利用することで、効率的に査定日時を決められるメリットもあります。
提携している優良業者から複数見積りを取り、査定金額を比較することで、失敗のない車の売却を進めることができます。